「13の理由」シーズン3がクソすぎて辛い
Netflixオリジナルドラマ「13の理由」のシーズン3がクソだ。
シーズン1は全員見てください。
まだ見てない人はNetflix加入して見ても損はないはず。
本当に傑作。超面白い。見てない人のためのあらすじはググってください。でも本当にシーズン1は面白いです。
問題は先日公開になったシーズン3。これがもう…クソすぎて、途方に暮れながら全話見た。全話見たけどクソ。
「13の理由」シーズン3がクソな13の理由、みたいなタイトルでブログ書いてあげるまでもない。
いちいち説明するのもあれなので、もうシーズン3まで見終わってる前提で、心の叫びを書き連ねます。もう書かないと辛くてやってられない。
※以後、シーズン1、2、3は「S1」「S2」「S3」と表記
※もはや書く意味はないかもだけど、一応「まだ見てない方はネタバレ注意」と書いておく。
・あらすじ
超簡単に各シーズンを振り返ってみると。
S1
高校生のハンナが自殺。その後「ハンナが自殺の理由を吹き込んだ13本のカセットテープ」が、生徒から生徒の間へ密かに回され、受け取った主人公クレイがテープを聴くうちに、色々なことが明らかになる。
S2 ハンナが自殺する大きな原因になった性的暴行について、他の被害者も巻き込んだ訴訟が中心に話が展開。このときはまだハンナの弔い合戦的な雰囲気が残ってた。
S3 性的暴行の裁判を軽い罰で乗り切ったブライスが死体で見つかってその犯人探し。
ふう…
ということでここからクソだった所を書き散らしていきます。
・S3からの新キャラ「アニ」うぜえ。
スチャダラパーみたいな名前のケニア出身の女の子。いや、「新シーズンから出てきたキャラ、馴染まない」みたいな連続ドラマあるあるだけど、もうその範疇を超えてる。頭から尻尾まで行動原理が意味不明。
そもそも「生徒の自殺があって、そこから一部の運動部員による性的暴行含むアウトな行動が常態化してることが明らかになった」リバティ高校に転校してきて、それどころか主犯のブライスの家に居候して、しかもあんまり事情知らないって無理あるでしょ。
そんな風に色々起きてほとぼりも冷めてないところに首を突っ込んでくるだけじゃなく、意味不明な行動で事態を悪化させてくんですよ。普通S1〜S2で起きたことを訊いて、知ったらドン引きで、そこからはおとなしくしてるでしょ…「おせっかい」みたいなキャラで全てを説明しきった気になってるけど無理だから!行動原理が謎すぎる。
新シリーズで急にケニアから新キャラ出てくるってきかんしゃトーマスかよ!向こうは名前「ニア」だし。なんなの?
(ギャグじゃなくてマジで、きかんしゃトーマスは去年くらいから国連と連携して新シリーズに突入して「ニア」というケニア出身の機関車が仲間に加わった。)
いや、そのアメリカの連続ドラマで登場人物の人種を多様にする試みとかその辺の事情があるのは分かるけど、「これまであんまり黒人のキャラ居なかったな…ケニア出身の女の子転校させるか」って、そりゃあまりに安易な気が…
ほんとに…行動原理が謎すぎる。クレイに付きまとって、何も経緯知らないのに謎解きしてますみたいなツラしてると思ったら、実はブライスと家で肉体関係持ってて、なんか最終的にクソみたいな解決策を提示して、「誰も悪くない」みたいなドヤ顔かましてんの、ほんと何…なんなの…
・ハンナ降板してた
実は自殺した「ハンナ」がS3で降板してて(2話くらいで気付いて調べた)…いや、じゃあもう、S3作らなくてやめればよかったのに…
まあS2の幽霊みたいな登場の仕方は無理あったけどさ…
同じNetflixオリジナルの「ハウス・オブ・カード」は、アメリカ大統領の話なのに大統領役のケヴィンスペイシーがセクハラ騒動で降板して、最終シーズンが尻切れトンボの変な終わり方だったんだけど…うん、まあ、それを思い出した。
じゃあ全く登場しないのかと思いきや、途中でちょっとだけ例のカセットテープの音声出てくるの。いや、録音の声は出演できるのかよ!もっと使えよ!
・「S1で起きたこと」がことごとく軽視されてる。
S3がクソなのは、実は、新キャラ云々よりもここだと思う。
S1は「一人の人間の死がどれほど重大なことなのか」ということを様々な角度から光を当てて、色々な人の視点を通して明らかにしていったのに、S3は「ストーリーを始めるために悪い奴を殺して、ストーリーを終わらせるためにもう1人悪い奴を殺す」っていう…あのさあ….。
クロエの中絶のエピソードが出てくるから、「なるほど、このお腹の子を殺してしまうことと、ハンナの自殺を対比させるのか!と思ったら微塵もそんな素振りみせやしねえ。
まじで!だれもハンナのことを思い出さない!なんで!ジェシカが他の男と付き合って、ブライスのことを思い出す暇はあるみたいだけど、もうマジで誰もハンナの自殺を思い出さないみたいなんだよ。
クレイに至っては、S2では幽霊として出てくるくらいハンナに執着してたのに、数ヶ月たったら何かもう「ちょっと辛いことあってさ」くらいになっちゃってるの。ほんとさあ…
S2の葬式の成仏シーンで完全に忘れました!ってそんなの無理だろ。現にS3の幽霊ブライスが出てきたのは葬式後じゃねえか?ブライスが「今後お前のことをずっと見てる」って脅すなら、ハンナも「あなたのことを見守ってるわ」って言わねえと整合性とれねえだろ。なんでハンナだけ成仏して、ブライスだけ一生背後霊なんだよ。
じゃあハンナがカセットテープ遺した意味ないじゃん!こんな世界見たくないよ!
・「仕掛け」がひとつも面白くない。
「13の理由」S1の何が面白いかってさ、「13話」=「13本のカセットテープ」=「各話1つの人物・出来事にフォーカス」というドラマとしての「仕掛け」が最高におもしろかったんじゃん…。しかもカセットという絶妙なアナログアイテムが、最高に良かったんじゃん…
S2ではチェキを使って微妙になぞろうとしてたけど、S3はもう完全に仕掛けを放棄。
一応オープニングの映像を見ると、「ブライス殺害容疑の証拠品」が各回のキーアイテムになってるのが分かるけど、で?って感じ。各アイテム何の統一性もテーマもない。行き当たりばったりで本当腹立たしい。
だって「13本のカセットテープに隠された自殺の理由」が新鮮で面白かったのに、「13の証拠から殺人事件の犯人を捜す」ってクソ普通!なんの新鮮味もないし、おもしろくない。
だったらテープの音声使って、「再びテープの13人に疑いの目を向ける」みたいな展開のほうよっぽどマシじゃない?
逆に13話分、間を持たせるために、途中めちゃくちゃ適当!
当初「ブライスは銃殺」というニュースが出て、S2で拳銃事件未遂を起こした人に疑いが向けられるんだけど、「やっぱり誤報で撲殺でした」ってんな間違いあるかバーカ!しかも最終的には「溺死」だった。なんなのよ!
仕掛けでいうと「時系列」系の仕掛けも迷走してた。
このドラマは「過去起きた事件の真相を探る」という特性上、時系列が行ったり来たりするから、混乱しそうなんだけど、S1はそのへんうまくて。テープを聴く直前のクレイが自転車からコケて怪我するから、「怪我あり:現在」⇔「怪我なし:過去」という、見た目で一発で分かるようになってたんだよね。
S2はどうなってたか忘れたけど、S3は過去になると、画面上下の黒帯(レターボックスっていうの?)が、ぐーーっと広がって「画面の上下の黒帯が無くなり、画面いっぱいに映像が映る」だってwwwww分かるかwwwwwよく気付いたな俺。
しかも、過去に視点が移るときに謎の演出かましてくるんだよ。なんか「現在のキャラがコーヒーカップを持つ→過去のキャラがコーヒーカップを持ち上げる」とか「現在のキャラが窓の外を眺める→過去のキャラが窓の外を通る」とか…なんか謎の切り替えで過去と現在と行き来する。
その謎演出で一番笑ったのが、「過去のシーンでエレベーターのドアが閉まる→そのエレベーターのドアが開くと現在」って移るシーンでなぜか何もないカフェの空中でエレベーターのドアが開いて現在に戻ったところ。どこにエレベーターあんだよwwwww空中から出てくるって、ドラえもんのタイムマシンかよwwwww
・まとめ
S3を過ぎると新規会員獲得の効果も無くなるらしいしやめちまえ(↓の記事参照)。本当にこれ以上続けるのはやめてほしい。そのお金でワクワクする新作たくさん作ってほしい。「13の理由」の役者はみんなうまいから大丈夫だよ他でも活躍できるよ。
Netflix、バブル終了で転換期へ? “ストリーミング戦争時代”にいかにメガヒットを生み出すか|Real Sound|リアルサウンド 映画部
Netflixはあまり長くショーを続けない。前出2記事の情報源によると、人気作であろうとシーズン3以降は新規会員の獲得にあまり役立たないそうだ。クリエイター側の報酬増加要求やボーナスの頃合いを鑑みると、シーズン2または3後のタイミングでショーを終了させるパターンこそ節約になる。
それでもやっぱりシーズン1は最高に面白い。これだけのマイナスを補って余りある。トータルではプラス。シーズン1は最高…
たしかにブライスは悪玉で、S2ではうまく逃げ切ってルサンチマンはたまってるけど、ブライス殺しても成敗して、ついでにS3の悪い奴に罪を押し付けて死んでもらってカタルシス!にはならないよ。
全て「シーズンを続けるため」そして「13話分の話を持たせるため」のストーリーになってしまっている。行き当たりばったり!ご都合主義もいいところ。すべてストーリーを進行させるためだけに事件が起きたり、変な行動したり、人が死んだりする。
「S1で見つけた大切なことを全て忘れてしまった」このS3は本当にクソ。