小沢健二 #飛ばせ湾岸2nights の感想を見せつけてよ #ozkn
小沢健二「飛ばせ湾岸 2 nights、guitar bass drums で So kakkoii 宇宙へ」
行きました、見ました、声枯らしました。せっかく両日参加できたので、感想を書きます。
11/11(月) 新木場 STUDIO COAST "ドロップ前々夜、新木場"
11/12(火) 豊洲PIT "ドロップ前夜、豊洲"
言いたいことは嫌っちゅうほどあるのに、ツイートで140字以内でちまちま連投していると零れ落ちてしまうこともあるし、時間が経つと散逸してしまうので、ここに纏めて置いておこうぐらいの感覚です。
本物はあなた、わたしは偽物。 ―星野源「ばらばら」
- 01. 薫る(労働と学業)
- 02. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)
- 03.今夜はブギー・バック with スチャダラパー ※豊洲のみ
- 04.ぼくらが旅に出る理由
- 05.飛行する君と僕のために
- 06.失敗がいっぱい
- 07.ラブリー
- 08.痛快ウキウキ通り
- 09.シナモン(都市と家庭)
- 10.フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)
- 11.流動体について
- 12.神秘的
- 13.薫る(労働と学業) ※新木場のみ
- 14.彗星
- そのほか思ったこと
01. 薫る(労働と学業)
「いまから新曲『薫る』をやる」
・歌詞とは不思議なもので、リリースされて初めて歌詞になる・農家が種をまくようなもの・今から1番のサビの歌詞を読み上げる「君が君の仕事を~」・しかし、この曲が曲になるためにはサビ前の根源的な8分音符3回のクラップが必要だ・いまからその練習をする。全員参加だ。例外は認めない( ー`дー´)キリッ
「Y'all gonna practice the handclap! Everyone! CLAP! RENSHU SURU!」
「君が君の学業をするとき偉大な宇宙が薫る おそれることなき好奇心を図書館の机で見せつけてよ」
02. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)
冒頭の「5月30日パシフィコ横浜、6月3日4日大阪フェスティバルホール…」と言ったあたりで、「ホールツアーか」と認識。自分の関心は、東京の会場がどこになるか気になっていて、オリンピックもあるし。個人的に有明の新ホールとかありえるんじゃないか、と事前予想していたのですが、「ガーデンシアター」と聞こえて。最初「恵比寿ガーデンホール」と「舞浜アンフィシアター」のどっちかの聞き間違いだと思いました。あるいは「北の丸アンフィシアター」みたいに既存の建物を「オザケン独自の呼び方」してる可能性が頭をよぎりました。結果的に「東京ガーデンシアター」は正式名称で、予想通り有明の新ホールでした。キャパが大きめと聞いていたので、すこし安心。絶対行くぞ。それまで生きる。ツアー日程、5/30(土)横浜パシフィコ、6/3-4(水-木) 大阪フェス、6/12(金)名古屋センチュリー、6/14(日)福岡サンパレス、6/20-21(土-日)東京ガーデンシアター(新ホール、キャパ7000)。今日11日、もうすぐ21時からエントリーです。https://t.co/enc5ISQdEq 東京ガーデンシアターは僕が名前を言うのが初? pic.twitter.com/5Ai3cQTWiX
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) 2019年11月11日
03.今夜はブギー・バック with スチャダラパー ※豊洲のみ
小沢健二が今回の裏テーマに掲げてると思われる小規模編成だからこそ可能な「演奏中に、自分の一存で、演奏構成を勝手に変えちゃう」を間奏でやって(=歌に戻るタイミングでマイクに戻らず、その間3人のミュージシャンはそれに合わせ、間奏部分が延長される)、当の本人はギターを弾きながらSHINCOのスクラッチを要求して楽しんでいるご様子。
流石だったのはBose。少し困惑するものの、すぐに状況を理解し、「本日はスクラッチ多めでお送りしております」とフロアを煽る。と同時にいつも言っているサビ前の煽りとしての「Sing it!」ではなく、段取り的な「指導」として、小沢を指さして「Sing it!(歌えや)」ってやってたのは笑いました。
歌い終えてからも熱気がすごかった。突然のSNSタイム(新しい地図 #ななにー さながら)。貴重な4ショットを客みんなが撮影、その場で投稿。Boseの指導により「スチャダラパー来た #ozkn」の文面が並ぶタイムライン。後で小沢健二も感心してたけど、Boseが言うと客はちゃんと投稿して、終わりと言われればちゃんと携帯をしまうw
04.ぼくらが旅に出る理由
ギターから始まった気がする。まあ、みんなよく歌えるし、小沢健二もどんどん歌わせる。体感では30%くらい客に歌唱に委ねてた気がする。喉がつぶれる勢いで歌いました。
特に1番のサビに入るところ、よく「歌おーぅ!」と煽るとこ。今回は「飛っばせっ!湾!岸!」とシャウトしてて熱かった。アツイ!その際の身振りはスピリッツの表紙の、身体はのけぞり気味に、右手をブンブン、何度も振り下ろすアレ。小沢健二っぽかった。、
あと「彗星」が発表された後だからか、この曲の歌詞をちゃんと歌うと、これまでと違う沁み方をしたきがします。
「遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし」
2番Aメロは前半と後半で「女子!」「男子!」と歌い分けあり。豊洲では「女子」言い忘れて「男子」だけだったけど。
この曲みたいにザ・小沢健二!なストリングスとホーン大盛りマシマシな原曲をやるとき、ドラムギターベースしかいないはずなのに、何度かストリングスやホーンが聞こえてくるような気がしてしまった。勢いのせいで、演奏と記憶が混線する感じ。
05.飛行する君と僕のために
「ぼく旅」終わりからシームレスに。
未音源化曲なので、「So kakkoii 宇宙」収録曲目が発表されていなかった初日新木場ではこの曲のイントロが掛かった瞬間、「So kakkoii 宇宙」収録への期待が超高まった(直後に否定)。
バキバキに仕上がってるので早く録音してほしい。「ハッシュタグで募ったリクエストが多かったのでやった。今後もライブではやりつづけたい」とのことだったので希望を持ち続けます。(そういえば例の演奏してほしい曲をハッシュタグで件に触れたの触れたのはここだけでしたね。)
衝撃だったのは「みんな結構フジロック2017の客席動画をYouTubeで見てる」ということ(私はなんとなく見ないことにしている)。「ぼく旅」からこの曲に移った時に隣の若者18歳が「フジロックと同じじゃん!」と叫んでおられましたし、周りの客も未発表曲なのにちゃんとノレてて、不思議な気分だった。
この曲の特徴的な森俊之さんのエレピが無くても成立する曲だということを見せつけられたのも驚いた。
土方さんのギターソロがめちゃくちゃカッコ良かった。シンプルに力強く、エモーショナル。まじで。
いやほんとに好きな曲なんです。切なくて寂しくて空元気。小沢健二で一番SMAPっぽいかもしれない。この曲を聞きにフジロックまで行ったようなものですので。もっといつも聴きたい。
06.失敗がいっぱい
新曲!
豊洲では説明なしで曲を始めたけど、新木場では丁寧めに説明。
・キッカケは「それはちょっと」(結婚を要求してくる彼女をつっぱねる曲)みたいな曲をもう一度作りたかった。
・レコーディングでは大きめの編成で録音したが、今日は少人数編成で演奏する
再三「ショック受けたりしないで」「これほんと冗談だから」と前フリwwをしていて。
曲が始まって、まず気づくのはこれのAメロが「飯倉片町藪蕎麦前」のメロディだということ。アルバムの発売を告知して、それっきりだった半年間、ずっと聴いていたあのメロディだということ。いやあ、高まった。
Ozawa Kenji Iigurakatamachi Azabudai Yabu Soba Mae 小沢健二飯倉片町藪蕎麦前
しかし、2番のAメロ、お馴染みのメロディに衝撃的な歌詞が
「可愛い人たち どうしてでしょう 性格めちゃくちゃに悪いよね つけ上がらせてる 世の中のせい」
「涙に滅ぼされちゃいけない」
「感じないを感じちゃうにしちゃう 音楽へようこそ」
07.ラブリー
あと豊洲はアウトロで小沢健二がお馴染みの「一存で演奏延長」を発揮して最後のサビ追加してた気がする。
08.痛快ウキウキ通り
・まず曲が出来ると、歌詞もデタラメなうちからドラム白根さん・ベース中村さんを呼んで、3人でプリプロダクション的なセッションをやる。・そうするうちに、煙のように立ちのぼってくるものがある。・そんな感じでライブをやってみたかったところに、今回2つのライブハウスの日程が取れた。・アルバム自体はファンク交響楽だけど、その始まり形をギターバンドみたいな編成でアルバム発売前にやることにした。・大人数では譜面がある都合上難しい、急なアドリブや構成変更もできちゃうしねニヤリ
09.シナモン(都市と家庭)
両日ともギター弾き語りでAメロを歌ってから、唐突に少し話し出して、改めて冒頭のサビを始めるという謎の始め方でした。やっぱりキタローさんのシンセベース(moog)がカッコよすぎる。
10.フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)
魔法的オリジナルだから構成違うとわかっていても、聴きなれたCDの「ラララ」のタイミングでみんな手を挙げちゃうよね(「はじまりはじまりと扉が開く」のあとね)。CD音源って強いね。ほんとアルバム出て良かったね。うん。
歌詞では「寒かったら 暖炉に灯ともすから」とかが復活してました。
キタローさんのコーラスも目立ってた!
そういえばフクロウって全然客に歌わせないな(ラララ~くらい)。やっぱり子供の視点を自分が歌うことが大事なんだろうか。
11.流動体について
結構難しくて複雑な曲なのに、普通に盛り上がる曲として定着してるのやばい。「神の手の中にあるのなら!」って群衆が偶像に向かって歌ってる感じ。どうかしてる。
湾岸という、海=地球最大の流動体を意識するロケーションの横で聞いたから、かどうかはわからないけど、聴いて歌ってクラップしてるけど、「流動体」という言葉が何を指しているのかいまいち分からなくなったな、と思った。これまでは「言葉」「気持ち」「意思」の集積と変容を指してるのかなー、とかぼんやり思ってたけど、(何故かは分からないが)「あれ?なんかまたちょっと違うかも」と思って、分からなくなった。ま!いつか「こういうことか!」って分かるかもね!
この曲も「シナモン」同様、新木場はギターソロがヘナヘナ立ったけど、豊洲ではカッチリ決めてきた。
ステージ上の人は演奏に忙しいから煽る人がいないのに、自主的にハンドクラップするみんな意識高いよ!
この曲も、最後のサビを繰り返しまくった。3回ぐらい繰り返した気がする。「それが夜の芝生に~」からラストまで。
曲終わり「アンコール呼んでください」で捌けていった。あれは「アンコール自ら呼びかけちゃお!」というギャグなのか、本当にアンコール呼んで欲しいから言ってるのか、分かりづらいのがマジで小沢健二だったなあ。
ここからアンコール
12.神秘的
ヘッドセットマイク付けて、ステージのちょい下手寄りに腰掛けて弾き語り。最前列の人近くでやばかっただろうな。
この曲の演奏はいつも宗教っぽい。なんというか、いつもふざけてる親戚のおじさんが法事で般若心経を唱えはじめたときのような、教会の結婚式で知らん賛美歌を歌わされてるときのような、なんか分からないけど日常の畏怖と、不可侵な感じ。
それはそれとして、ヘッドマイクフェチとしては、ヘッドマイク付けてる時の小沢健二はアイドルだなあ。これで踊りながら歌ってくれねえかな、いつか。むりか。
この曲を聴いてるときはいつもとは違う脳の部分が働く。「いちょう並木のセレナーデ」を聴くときに使う脳の部分と近いかも。時間の儚さが生み出す美しさ、みたいな。あとはどうあがいてもいずれ死ぬ、みたいな絶望と希望。
せっかくだからギターに集中して聴いてみたけど、聴き馴染みのないギターの和音か沢山出てくる。チューニングが独特だったりするのかなあ。
13.薫る(労働と学業) ※新木場のみ
どしゃぶりの雨の中で騒ごうフジロックみたいに
14.彗星
「覚えてきてね!みたいな告知無かったけど、みんなめっちゃ歌えるやん」と思いました。先行配信大正解、というか今回のライブで「彗星」と初めましてだったら困惑して受け止めきれなかったかもしれない。
そのほか思ったこと
セットリストについては、もちろん新作「So kakkoii 宇宙」からは入るんだけど、既存曲がメジャーどころ多数(ぼく旅、ラブリー、ブギバ、ウキウキ)だったのが意外。
「薫る」の冒頭で言っていたけど、本当にその通り。音源が出るのって大事…「流動体について」がリリースされたときにに、(それまでも書きおこしの歌詞とかはあったけど)改めて「流動体について」の歌詞考察ブログが乱立したときにも、やっぱりリリースされることって大事だな、と思った。
いうてもキーボードはバンドに居ないと成り立たないっしょ!と思ったら、ホントにドラムベースギターの4人編成で腰抜かした。しかも成り立ってて腰抜かした。
・歌は…
歌唱力について、正直上手じゃない。少人数編成だからその辺ごまかしもきかない。たまに音程が迷子になりそうなこともある。でもそれは「とにかくメロディが難しすぎる」ことと、「音程に合わせることよりも言葉を伝えることを考えてる」からだと感じたんですけど、わたし小沢健二のこと甘やかしすぎですかね?