小沢健二 #飛ばせ湾岸2nights の感想を見せつけてよ #ozkn

小沢健二飛ばせ湾岸 2 nights、guitar bass drums で So kakkoii 宇宙へ

行きました、見ました、声枯らしました。せっかく両日参加できたので、感想を書きます。


11/11(月) 新木場 STUDIO COAST "ドロップ前々夜、新木場" 
11/12(火) 豊洲PIT "ドロップ前夜、豊洲

 

言いたいことは嫌っちゅうほどあるのに、ツイートで140字以内でちまちま連投していると零れ落ちてしまうこともあるし、時間が経つと散逸してしまうので、ここに纏めて置いておこうぐらいの感覚です。

 
なので、レポートというよりかは、「今のこの気持ち」の集まりみたいなものです。
 
正確なライブレポートは「記録の鬼」と密かに思っている「かがりはるき」さんのブログを参照してください。
本物はあなた、わたしは偽物。 ―星野源「ばらばら」
 
なんとなくセットリスト順で書いていきます(二日目豊洲PITのセットリスト準拠)
 
 
初日と二日目をまとめて書いていきます。違うところはその都度触れますが、まあざっくりなものと思っていてください。
 
※私は小沢健二ライブ遍歴:初参加は「魔法的」ですので、90年代のやつ、ひふみよ、東京街奏は行ってません。その後、フジロックと春空虹は行きました。
 

01. 薫る(労働と学業)

いきなり新曲スタート!痺れますね。
 
ベースから始まって、ドラムが入って、ギターが入ってきて…一人ずつにスポットライトがあたり、最後にステージ全体のライトが付く。
小沢健二さんの服装はMステと同じ最近の小山田圭吾ルック、スタイリッシュ喪服、そんな感じ。
 
バックバンドの白根佳尚さん(ドラム)、中村キタローさん(ベース)、土方隆行さん(ギター)も白黒モノトーンのフォーマルな服装。
 
「ライブタイトル通り、ホントにドラムとベースとギターしかいない…」「ところで何の曲だろ?」となってきたところで、小沢健二さんが
いまから新曲『薫る』をやる
と話す。「やったー!」と盛り上がったのもつかの間、バンドの演奏に乗せて
・歌詞とは不思議なもので、リリースされて初めて歌詞になる
・農家が種をまくようなもの
・今から1番のサビの歌詞を読み上げる「君が君の仕事を~」
・しかし、この曲が曲になるためにはサビ前の根源的な8分音符3回のクラップが必要だ
・いまからその練習をする。全員参加だ。例外は認めない( ー`дー´)キリッ
話す話すww!!!ライブの1曲目、演奏や歌唱で盛り上げるのではなく、いきなり朗読っぽい語りから入った。普通ならズコーだけどみんなそれくらいじゃ驚かない。精鋭たちが集まってる感じ。
 
新木場では2階の関係者席を指さしながら
「Y'all gonna practice the handclap! Everyone! CLAP! RENSHU SURU!」
みたいなことを言っていて、小沢健二の英語聞けた!聞きたかった!とテンション爆上げ。
 
早速クラップの練習がはじまる。
バンド演奏:じゃーんじゃーんじゃーんじゃーん
クラップ:パン!パン!パン!
の繰り返し(伝われ)。
 
さあ!いざ曲へ!と思ったら、また「いまから新曲『薫る』をやる」から始まる、同じ説明を繰り返してきた。客は笑っていたけれど、小沢健二としては、初見の客にクラップを習得させるには繰り返し学習が効果的という、労働と学業の基礎を実践してる様子。ただし今回は読み上げたサビの歌詞は2番。
「君が君の学業をするとき偉大な宇宙が薫る おそれることなき好奇心を図書館の机で見せつけてよ」
かっけえ!AERAのインタビューで触れていた「学習意欲と資格産業」の話にも繋がる。しかしこんなにも歌詞に「図書館」が出てくるミュージシャンがいただろうか。普段から論文読んでるミュージシャン小沢健二
ふたたび練習。じゃーんじゃーんじゃーんじゃーん(パン!パン!パン!)の繰り返し。
これはあれですね、DJみそしるとMCごはんの「アスパラベーコン巻き」の歌のハンドクラップと同じです(知ってる人に伝われ)。
 
いざ曲が始まると。逆にもう「うわあ新曲だあ!」みたいな感想に飲み込まれてしまって、あんまり覚えてなかった。ツイッターで開示してたサビの歌詞とか、サビ終わりの「あるいは○○の中の○○の」連呼シリーズのところも、「うわ想像よりもメロディの動きが激しい」という感想。音符が細かくて文字数が多い。
 
そういえば1曲目の前や最中に、はじまりはじまりのカウントダウン「5!4!3!2!1!」がありませんでしたね。魔法的、フジロック、春空虹とやってきたけど。
 

02. アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)

初日の新木場ではこの曲の前にサプライズ、なんと客に携帯電話を取り出して動画を撮れという。いや電源切ったっつーの。慌てて起動。私のすこしばかり「もう古い」なiPhoneがなかなか起動せずに神に祈る(起動しました)。
 
そうして口頭で発表され、客の動画アップロードを以て発表されたのが来年のツアー「So kakkoii 宇宙 Shows」(つって客席は携帯回線がパンク状態で繋がらなかった人多数(わたしも)なので↓のツイートが実質的な告知に)

冒頭の「5月30日パシフィコ横浜、6月3日4日大阪フェスティバルホール…」と言ったあたりで、「ホールツアーか」と認識。自分の関心は、東京の会場がどこになるか気になっていて、オリンピックもあるし。個人的に有明の新ホールとかありえるんじゃないか、と事前予想していたのですが、「ガーデンシアター」と聞こえて。最初「恵比寿ガーデンホール」と「舞浜アンフィシアター」のどっちかの聞き間違いだと思いました。あるいは「北の丸アンフィシアター」みたいに既存の建物を「オザケン独自の呼び方」してる可能性が頭をよぎりました。結果的に「東京ガーデンシアター」は正式名称で、予想通り有明の新ホールでした。キャパが大きめと聞いていたので、すこし安心。絶対行くぞ。それまで生きる。
 
で、初日新木場は更にサプライズ。今日チケットが取れなかった人、東京にこれなかった人(来年ツアー予定のない北海道とかの地名を出してた気がする)に向けてアルペジオ」を歌うので撮影してアップロードして届けよう、と。軽くパニックですよね。は?そんなことしていいの?っていうか小沢健二優しすぎ?
 
曲の間、5分近く、唾を飲む音も入らないように、ド緊張しながら小沢健二が歌うさまをカメラに収める(途中何度か歌わされたけど)。あの瞬間、会場のスマホカメラは確実に魔法のトンネルでした。
 
で、初日新木場は更に更にサプライズスマホ録画して全然盛り上がらなかった(そりゃそうなるって)から、次はカメラ無しで全員で歌おう、と。こうして今回の大合唱大会が幕を開けたのです。
 
豊洲の時は、「昨日は『アルペジオ』で撮影したけど、今日は『彗星』で撮影やるから。GoPro持ってる人いる?」とか言いつつ、アルペジオは普通にやりました。でも最後の「う〜うううう〜」のところは歌わなかったね豊洲
 
あと、「アルペジオ」のラップを全部小沢健二が一人でやったのって今回が初めてじゃない?
っていうかスチャダラパーいるならBoseとANIにやってみて欲しかった(欲望)。
 
「春空虹」のときと同じく「小沢くんインタビューとかでは何も本当のこと言ってないじゃないいいい〜」は3回繰り返して客に歌わせるやつ。AERA読んだあとにやるのは不思議な気持ち。今回はだいぶ本当のこと言おうとしてる。
 

03.今夜はブギー・バック with スチャダラパー ※豊洲のみ

まさかでしたね。まず小沢健二がイントロのギターリフ弾いたの初めて見た。小暮さんもいないし、フジロックやMステは「フジフジ」「タモタモ」はじまりだったし。
キタローさんはシンセベース。やっぱくっそかっけえ。やっべえ。
 
まずnice vocalの1番AメロBメロを大合唱。「超LIFE」のDVDで見た渋谷QUATTROの大合唱ブギー・バックみたい!とテンションあがりました。
 
で、ラップパート。想定した可能性は3つ
①「小沢健二が歌うようにラップする」(いいともとかでやってたやつ)
②「客にラップさせる
③「スチャダラパーが来る
私は②に賭けましたが(何を)、③でしたね。
 
どうやらSHINCOのDJブースが出てきたタイミングで気づいた人も居た様子でしたが、自分はBose & ANIが乱入してきた時点で気づきました。めっちゃくちゃ興奮すると同時に「あーこの乱入の仕方、『我ら、時』で聴いてて、毎回感動して泣きそうになるやつだ。目の前でこれが起きている。すごいやばい。」と妙に冷静な自分もいました。
 
面白かったのは間奏。SHINCOのスクラッチの部分。

小沢健二が今回の裏テーマに掲げてると思われる小規模編成だからこそ可能な「演奏中に、自分の一存で、演奏構成を勝手に変えちゃう」を間奏でやって(=歌に戻るタイミングでマイクに戻らず、その間3人のミュージシャンはそれに合わせ、間奏部分が延長される)、当の本人はギターを弾きながらSHINCOのスクラッチを要求して楽しんでいるご様子。

流石だったのはBose。少し困惑するものの、すぐに状況を理解し、「本日はスクラッチ多めでお送りしております」とフロアを煽る。と同時にいつも言っているサビ前の煽りとしての「Sing it!」ではなく、段取り的な「指導」として、小沢を指さして「Sing it!(歌えや)」ってやってたのは笑いました。

歌い終えてからも熱気がすごかった。突然のSNSタイム(新しい地図 #ななにー さながら)。貴重な4ショットを客みんなが撮影、その場で投稿。Boseの指導により「スチャダラパー来た #ozkn」の文面が並ぶタイムライン。後で小沢健二も感心してたけど、Boseが言うと客はちゃんと投稿して、終わりと言われればちゃんと携帯をしまうw

04.ぼくらが旅に出る理由

ギターから始まった気がする。まあ、みんなよく歌えるし、小沢健二どんどん歌わせる。体感では30%くらい客に歌唱に委ねてた気がする。喉がつぶれる勢いで歌いました。

特に1番のサビに入るところ、よく「歌おーぅ!」と煽るとこ。今回は「飛っばせっ!湾!岸!」とシャウトしてて熱かった。アツイ!その際の身振りはスピリッツの表紙の、身体はのけぞり気味に、右手をブンブン、何度も振り下ろすアレ。小沢健二っぽかった。、

あと「彗星」が発表された後だからか、この曲の歌詞をちゃんと歌うと、これまでと違う沁み方をしたきがします。

遠くから届く宇宙の光 街中でつづいてく暮らし

これとかってまさに「彗星」が歌いたいことですもんね。
 
1番と2番の間のホーンセクションは自分たちで歌う。「バラバッパラッパッパ!」。ここが思いのほか盛り上がった笑。
 

2番Aメロは前半と後半で「女子!」「男子!」と歌い分けあり。豊洲では「女子」言い忘れて「男子」だけだったけど。

この曲みたいにザ・小沢健二!なストリングスとホーン大盛りマシマシな原曲をやるとき、ドラムギターベースしかいないはずなのに、何度かストリングスやホーンが聞こえてくるような気がしてしまった。勢いのせいで、演奏と記憶が混線する感じ。

05.飛行する君と僕のために

「ぼく旅」終わりからシームレスに。

未音源化曲なので、「So kakkoii 宇宙」収録曲目が発表されていなかった初日新木場ではこの曲のイントロが掛かった瞬間、「So kakkoii 宇宙」収録への期待が超高まった(直後に否定)。

バキバキに仕上がってるので早く録音してほしい。「ハッシュタグで募ったリクエストが多かったのでやった。今後もライブではやりつづけたい」とのことだったので希望を持ち続けます。(そういえば例の演奏してほしい曲をハッシュタグで件に触れたの触れたのはここだけでしたね。)

衝撃だったのは「みんな結構フジロック2017の客席動画をYouTubeで見てる」ということ(私はなんとなく見ないことにしている)。「ぼく旅」からこの曲に移った時に隣の若者18歳が「フジロックと同じじゃん!」と叫んでおられましたし、周りの客も未発表曲なのにちゃんとノレてて、不思議な気分だった。

この曲の特徴的な森俊之さんのエレピが無くても成立する曲だということを見せつけられたのも驚いた。

土方さんのギターソロがめちゃくちゃカッコ良かった。シンプルに力強く、エモーショナル。まじで。

いやほんとに好きな曲なんです。切なくて寂しくて空元気。小沢健二で一番SMAPっぽいかもしれない。この曲を聞きにフジロックまで行ったようなものですので。もっといつも聴きたい。

06.失敗がいっぱい

新曲!

豊洲では説明なしで曲を始めたけど、新木場では丁寧めに説明。

・キッカケは「それはちょっと」(結婚を要求してくる彼女をつっぱねる曲)みたいな曲をもう一度作りたかった。

・レコーディングでは大きめの編成で録音したが、今日は少人数編成で演奏する

再三「ショック受けたりしないで」「これほんと冗談だから」と前フリwwをしていて。

曲が始まって、まず気づくのはこれのAメロが「飯倉片町藪蕎麦前」のメロディだということ。アルバムの発売を告知して、それっきりだった半年間、ずっと聴いていたあのメロディだということ。いやあ、高まった。


Ozawa Kenji Iigurakatamachi Azabudai Yabu Soba Mae 小沢健二飯倉片町藪蕎麦前

 

しかし、2番のAメロ、お馴染みのメロディに衝撃的な歌詞が

 「可愛い人たち どうしてでしょう  性格めちゃくちゃに悪いよね  つけ上がらせてる 世の中のせい」 
新曲の歌詞は聞き取れない部分も多かったけど、ここは超はっきり聴こえた。最高ネリアスじゃないか…。どういう発想なんだろう。この歌詞バズらねえかな。
 
そしてサビのヘナチョコだけど力強い
「涙に滅ぼされちゃいけない」
という歌詞。まだ真意をつかみ損ねてるんだけど、なんか勇気出る。
あとサビ終わりの「出来ないを出来ちゃう 色々なものが世の中にあるよ」コーナーも好き。最後の
「感じないを感じちゃうにしちゃう 音楽へようこそ」
で、やっぱり音楽ってドラッグ的だなあ、と妙に納得。「失敗がいっぱい」、ねえ。

07.ラブリー

イントロだけ「失敗がいっぱい」で使ってたいつものクラシックギター。そのあとエレキ(たしかストラト)に持ち替え。ちょっと最初「地上の夜」のイントロに聞こえてドキッとした。
豊洲だけフレディ・マーキュリーみたいな「エー↑オー↓!」(エー↑オー↓!)「エー↑オー↑↑!」(エー↑オー↑↑!)なコールアンドレスポンスあり。元ネタとかあるのかな。「ローラースケート・パーク」ライブ版の「わーでゅ!わーでゅ!でゅわっでゅ!」を思い出した。
この曲もまあ歌う、つまり歌わされる。カラオケで入れると「長い」「意外とキー高い」でお馴染みの「ラブリー」をずっと歌わされる。楽しいが疲れる。
もう満島ひかりデュエット以降「完璧な絵に似た」以外は原曲通りの歌詞に戻すで良いんですかね。
「ラブリー」の特徴の中心にいるといってもいいホーンセクション無しだけど、全然熱量は下がってなかった。すごい演奏陣なんだなと改めて思った。
豊洲で、自分の前にいらした人生の大先輩なお姉さまが、この曲ではめっちゃカッコ可愛く体を左右に揺らしてたのが良かった。

あと豊洲はアウトロで小沢健二がお馴染みの「一存で演奏延長」を発揮して最後のサビ追加してた気がする。

08.痛快ウキウキ通り

新木場ではセミホロウのやつ、豊洲ではストラトだった(持ってたギターの話)。
ここで今回の少人数編成の説明があった気がする。
・まず曲が出来ると、歌詞もデタラメなうちからドラム白根さん・ベース中村さんを呼んで、3人でプリプロダクション的なセッションをやる。
・そうするうちに、煙のように立ちのぼってくるものがある。
・そんな感じでライブをやってみたかったところに、今回2つのライブハウスの日程が取れた。
・アルバム自体はファンク交響楽だけど、その始まり形をギターバンドみたいな編成でアルバム発売前にやることにした。
・大人数では譜面がある都合上難しい、急なアドリブや構成変更もできちゃうしねニヤリ
 
豊洲で、セッションの時に中村さんが言っていたという「フクロウ好きー♥」を小沢健二がモノマネしてるの妙にツボったな。
イントロはおもむろに小沢健二がギターを弾くところからはじまって、気分が乗ったら歌って、バンドが付いてくる感じ。まさにThe First Waltzの「ローラースケート・パーク」。
イントロのギターフレーズが妙に斉藤和義歩いて帰ろう」っぽくてにんまり。
選曲が意外だったので、初日のザワつきはすごかった。
プラダの靴がウォー!出来てうれしかった。
小沢健二もかなりノリノリで、「例の肩」(リズムにのって肩を上げ下げして身体をかたむけるやつ。映画「デトロイトメタルシティ」で渋谷系モードの松山ケンイチが過剰にやるやつ。小沢ファンの皆様はあれを何と呼んでいるのですか)も飛び出して、「うわああ!小沢健二だあ!」ってなった。

09.シナモン(都市と家庭) 

※新木場では「飛行する君と僕のために」と「失敗がいっぱい」の間に演奏
両日ともギター弾き語りでAメロを歌ってから、唐突に少し話し出して、改めて冒頭のサビを始めるという謎の始め方でした。やっぱりキタローさんのシンセベース(moog)がカッコよすぎる。
これまで「シナモン」は「魔法的」と「Eclectic」を橋渡しする楽曲だと感じてたけど、今回新たにアルバムのラスト「薫る」に向けた助走という役割を仰せつかっていると知ったので、その当たりを想像しながら聴くと、なんか新鮮に聞こえた。もうハロウィンは終わったけど。
 
初日新木場のギターソロが音程ヨレヨレで心配したけど、豊洲ではわりとカッチリ決めてきた。
豊洲のみ、例の「スーパーヒーローに変身する」の振り付けを煽りました。新木場でも自主的に踊る人が結構いましたね。
ワガママとわかってはいるものの、満島ひかりの「外国時間を計算しながら~」がもう一度聞きたいよ。
 
これはファンク交響楽曲を小規模でやるパターンとは違って、「シナモン」はむしろ少人数編成のほうがタイトで違和感がなかった。

10.フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)

やっぱりイントロは緑の照明。もはや「魔法的」よりも「春空虹」武道館を強烈に思い出す。
 
豊洲ではなぜか曲前にスタッフとギターを指さしてごにょごにょ。その後、本人から説明。ハウリング防止のミュート(余計な振動を防止して、変な音が鳴らないようにする、ギターのヘッドのところの弦に当てて巻くバンドみたいなやつ)を外したことを説明。フクロウのギターは変な音や余計な音も一緒に鳴らしたいんだって!ハハッ、変わってるね!
 
やっぱ…フクロウ好きー♥︎(中村キタロー風に)…「小沢健二SEKAI NO OWARI」版ではFukase(子)と小沢健二(親)のダイアログ的な響きがあったけど、魔法的オリジナルは完全に子供視点に感じる。 りーりーの視点が憑依して、小沢健二の語彙で喋ってる。子供の感性と大人の理性・知識が喧嘩しないで合わさって、次元を超えていくかんじ。もう何喋ってんだろ。
 
あと特に白根さんのドラムの音は欠かせないサウンドなんだなということがよく分かった。タイトだけど、重すぎず、キラキラしてる。たまにスネアから小さい星が見えるような。

魔法的オリジナルだから構成違うとわかっていても、聴きなれたCDの「ラララ」のタイミングでみんな手を挙げちゃうよね(「はじまりはじまりと扉が開く」のあとね)。CD音源って強いね。ほんとアルバム出て良かったね。うん。


歌詞では「寒かったら 暖炉に灯ともすから」とかが復活してました。

キタローさんのコーラスも目立ってた!

そういえばフクロウって全然客に歌わせないな(ラララ~くらい)。やっぱり子供の視点を自分が歌うことが大事なんだろうか。


11.流動体について

結構難しくて複雑な曲なのに、普通に盛り上がる曲として定着してるのやばい。「神の手の中にあるのなら!」って群衆が偶像に向かって歌ってる感じ。どうかしてる。

 

湾岸という、海=地球最大の流動体を意識するロケーションの横で聞いたから、かどうかはわからないけど、聴いて歌ってクラップしてるけど、「流動体」という言葉が何を指しているのかいまいち分からなくなったな、と思った。これまでは「言葉」「気持ち」「意思」の集積と変容を指してるのかなー、とかぼんやり思ってたけど、(何故かは分からないが)「あれ?なんかまたちょっと違うかも」と思って、分からなくなった。ま!いつか「こういうことか!」って分かるかもね!

 

この曲も「シナモン」同様、新木場はギターソロがヘナヘナ立ったけど、豊洲ではカッチリ決めてきた。


ステージ上の人は演奏に忙しいから煽る人がいないのに、自主的にハンドクラップするみんな意識高いよ!

この曲も、最後のサビを繰り返しまくった。3回ぐらい繰り返した気がする。「それが夜の芝生に~」からラストまで。

曲終わり「アンコール呼んでください」で捌けていった。あれは「アンコール自ら呼びかけちゃお!」というギャグなのか、本当にアンコール呼んで欲しいから言ってるのか、分かりづらいのがマジで小沢健二だったなあ。

 

ここからアンコール

12.神秘的

ヘッドセットマイク付けて、ステージのちょい下手寄りに腰掛けて弾き語り。最前列の人近くでやばかっただろうな。

この曲の演奏はいつも宗教っぽい。なんというか、いつもふざけてる親戚のおじさんが法事で般若心経を唱えはじめたときのような、教会の結婚式で知らん賛美歌を歌わされてるときのような、なんか分からないけど日常の畏怖と、不可侵な感じ。

それはそれとして、ヘッドマイクフェチとしては、ヘッドマイク付けてる時の小沢健二はアイドルだなあ。これで踊りながら歌ってくれねえかな、いつか。むりか。
この曲を聴いてるときはいつもとは違う脳の部分が働く。「いちょう並木のセレナーデ」を聴くときに使う脳の部分と近いかも。時間の儚さが生み出す美しさ、みたいな。あとはどうあがいてもいずれ死ぬ、みたいな絶望と希望。
せっかくだからギターに集中して聴いてみたけど、聴き馴染みのないギターの和音か沢山出てくる。チューニングが独特だったりするのかなあ。


13.薫る(労働と学業) ※新木場のみ

「彗星やるまえにもう1回薫るやらない?」つって。小規模編成ならではの。ライブ冒頭と比べて、すこし冷静に聴けた。それでも乱高下するメロディに振り落とされそう。
ここでようやくCメロの
どしゃぶりの雨の中で騒ごう
フジロックみたいに
という歌詞に気づいた。死ぬおもいしながらフジロックに参加した2017年の俺が救われた。


14.彗星

「彗星」の出だし、「(ジャーン)そして時は2020」の「そして」から客は全力で歌わないとダメということで、歌い出しを何度かやり直させる。豊洲の撮影OKタイムでネット上に溢れている。

「覚えてきてね!みたいな告知無かったけど、みんなめっちゃ歌えるやん」と思いました。先行配信大正解、というか今回のライブで「彗星」と初めましてだったら困惑して受け止めきれなかったかもしれない。
 
歌えた自分にも驚きました 笑。最初聴いたときは「こそが宇宙だよといまも僕は思うよ」とか「とても冴えた気持ち」とか「音楽と青春の日々を」とかのメロディが全くわからなくて、巻き戻しても歌えるようにならず、焦ってたけど、普通にもう身体に染みついてました。「もっと歌いやすいメロディにしろや!」と思ったこともあるけど、もうこのメロディしかありえないですね。
 
今回改めて「来年のツアーは歌おう」というメッセージが発せられたので、今度はとんでもないことになりそう。
 
「みんな一緒に騙される 笑」の「わらえー!」はめっちゃ叫ぶスタイル。
 
曲は「46億年LOVE」並に一瞬で終わった。気が付いたら「溢れる愛がやってくる!」って叫んでたもん。
 
その後お得意の最後のサビ繰り返しで歌わせる。新木場は3回。豊洲は4回。
 
それにしても客が「溢れる愛がやってくる!」と叫んでるときの小沢健二ぶっ壊れてたわー!ギター弾きながら、歌舞伎の「連獅子」とかでやる髪をグルングルンとブン回す動きをしてて、前髪がグチャグチャで藤原基央みたいになってましたね。
 
豊洲では曲が終わったあと、「Two Thumbs Up 👍👍」を傾けて水平にしたりして「最高?普通?ちょっと良い?…最高!?」という小沢健二とファンの非言語的コミュニケーション。
 
その後、またアカペラで「今ここにあるこの暮らしこそが~」と最後のサビを歌いだす。客にも歌わせる。自分ではMステでは最後の「みーーてーーーるーーー」は裏声で歌ってたくせに、客には地声を要求してくる(被害妄想)。
 
ブチ上がり合唱がおわったところで、「5!4!3!」とカウントダウンが始まる。「いやだーー!!!」という会場の叫び声を無視した小沢健二による「2!1!生活に帰ろう」で暗転。(「生活に帰ろう」か「日常に帰ろう」か忘れちゃった。)
 

そのほか思ったこと

・The First Waltz の感覚?
あのビデオの「ローラースケート・パーク」のイントロ、「譜面めくんの忘れた!」と自分だけ演奏を止め、その後小節数的には変なタイミングで歌い始めるけど、周りが合わせて成立する。あの感じが強かった。最後サビを繰り返したり、転調追加したり。
これの何が面白いのかは、自分もまだつかめてなくて。でも小沢健二が新しいことを始める直前に、自分の自由が利く範囲でいろいろやりたくなるんだなあ、というのが少しわかった気がする。
あとやっぱり小沢健二って変わらないな、という。
 
・「みんな歌える」ことを重視
セットリストについては、もちろん新作「So kakkoii 宇宙」からは入るんだけど、既存曲がメジャーどころ多数(ぼく旅、ラブリー、ブギバ、ウキウキ)だったのが意外。
小規模だから、精鋭ヲタ向けにマイナー曲、たとえば球体やエクレク、短冊群(恋しくてとか)からピックアップされるのでは、という予想も説得力あったから、このド直球な感じは少し意外。
じゃあなんでそんなメジャーな曲を沢山選んだか、というと、↓の話とも関係すると思ってて。
 
・歌詞はリリースされて、聴かれて育つ
「薫る」の冒頭で言っていたけど、本当にその通り。音源が出るのって大事…「流動体について」がリリースされたときにに、(それまでも書きおこしの歌詞とかはあったけど)改めて「流動体について」の歌詞考察ブログが乱立したときにも、やっぱりリリースされることって大事だな、と思った。
 
やっぱりメジャーな曲ほどみんな頭使わずに歌える可能性が高くなるし、広まって聴かれてる曲ほど、「聴いてる側の思い出や思い入れが曲に寄り添ってる」可能性も当然高まるわけで。
今回小沢健二がメジャーな選曲で、客に歌わせたのは、「これまでどんな風に生きてきたか、曲に乗せて見せつけてよ!」という意図というか、なんかそういう客側の「何かを見たい」という感じがあったように思う。

フジロックのグレーゾーンYouTube動画でも曲は育つらしい、ということも知った。
 
・編成について
いうてもキーボードはバンドに居ないと成り立たないっしょ!と思ったら、ホントにドラムベースギターの4人編成で腰抜かした。しかも成り立ってて腰抜かした。
4人編成と知ったときの、わたしの「なんだかんたギターの土方さんがストリングスとかホーンのフレーズを弾いて構成していくんじゃないの?」という予想は全く外れました。それやってたのは「彗星」の「1995年」の前のストリングスパートくらいで、あとは誠実に各々のパートを弾いてガッチリと曲を支えてました。

・歌は…
歌唱力について、正直上手じゃない。少人数編成だからその辺ごまかしもきかない。たまに音程が迷子になりそうなこともある。でもそれは「とにかくメロディが難しすぎる」ことと、「音程に合わせることよりも言葉を伝えることを考えてる」からだと感じたんですけど、わたし小沢健二のこと甘やかしすぎですかね?
 
・会場の子供の叫び声かわいくてずるい
「おじゃけーん」「おざけーん」「けんじにいさーん」「さいこー」
 
・SONGSメンバー
豊洲小沢健二は、土曜日オンエアのNHK「SONGS」には 「春空虹の時のメンバー全員出ます」みたいなこと言ってた気がするのだが… み、満島ひかりさんは出ます?
 
・なんで11月まで待たされたの?
「大規模協奏ファンク」なアルバムを出すにあたり 「曲作りのはじまり」であるドラム白根さん・ベース中村さんとのセッションの感じでライブをやりたかったことは理解した。 つまり、そのライブ日程が決まるまで、アルバムの発売日が決まらなかったってことかな??
 
しかし小沢健二さん、来年5月までどうするんだろう。なにか活動するのかな。せっかくならラジオとかやってほしいな…りーりーと一緒とかでもいいから。